「新・地政学リスク」で急落している(『FT』サイトより)
 

 1月3日に本欄にアップされた「2020年の原油価格予測」の拙稿を、筆者は次のように締め括った。

〈結論を言えば、おそらく2020年は需要増の減速が供給増の減速を上回り、基調として供給過剰が続き、「WTI価格50~65ドル」を「ニューノーマル」とし、「上値は重く、さらなる下押しリスクが高い展開」となるのではなかろうか〉(『2020年原油価格:新しい秩序で「ニューノーマル」の時代に』

 ところが、2020年は激動の幕開けをした。

 まだ正月気分の抜けない同じ1月3日に、イランの革命防衛隊「コッズ部隊」のカセム・ソレイマニ司令官が米軍のドローン攻撃で殺害された。国を挙げて「英雄」の葬儀を行ったイランは報復を誓った。

 これに対しドナルド・トランプ大統領は、1月4日次のように連続ツイートした。

14:52 イランは大胆にも、米国の拠点をターゲットにすると言っている。我々がつい最近、アメリカ人1名を殺し、多くを負傷させたテロ指導者を葬り去った報復だという。こいつは生涯で無数の人々を殺してきた男だ。(次に続く)

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