岩瀬昇のエネルギー通信 (214)

「新型肺炎」で石油需要「大幅減」油価「下押し」か

「新・地政学リスク」で急落している(『FT』サイトより)
 

 1月3日に本欄にアップされた「2020年の原油価格予測」の拙稿を、筆者は次のように締め括った。

〈結論を言えば、おそらく2020年は需要増の減速が供給増の減速を上回り、基調として供給過剰が続き、「WTI価格50~65ドル」を「ニューノーマル」とし、「上値は重く、さらなる下押しリスクが高い展開」となるのではなかろうか〉(『2020年原油価格:新しい秩序で「ニューノーマル」の時代に』

 ところが、2020年は激動の幕開けをした。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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