反トランプ攻撃開始「ボルトン」のゲリラ戦

執筆者:杉田弘毅2020年2月7日
トランプ大統領(右)への「ボルトンの戦い」は今後どうなるのか (C)AFP=時事
 

 この人をどう形容すべきか悩む。

 あるべき米外交を貫こうとして敗北したのか、それともお払い箱になった時代遅れの頑固な戦争屋なのか。

 ジョン・ボルトン前国家安全保障問題担当大統領補佐官。

 ドナルド・トランプ米大統領の娘のイバンカ補佐官や、その夫のジャレッド・クシュナー上級顧問が代表するスタイリッシュな今のホワイトハウスで、野暮ったい口髭に眼鏡、仏頂面で佇む姿は、半世紀前のワシントンの遺物のように見えた。

 その補佐官職だが、昨年9月、在任わずか1年半で解任された。

 ロナルド・レーガン政権時代から約40年間にわたり、米外交・安全保障政策サークルにいたボルトンからすれば、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と3回も笑って会談するトランプ大統領には付き合いきれなかったのだろう。

なぜ今「反トランプ」なのか

 さて、ボルトンのウクライナ疑惑をめぐる回顧録『それが起きた部屋』(“The Room Where It Happened”=3月17日刊行予定、未邦訳)である。

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