LNG市場で波紋を呼ぶ「新型肺炎」中国の「不可抗力」免責
2020年2月10日

中国沖合には「浮かぶ貯蓄タンク」のごときLNG運搬船が増えるのか(写真はイメージ)
中国のLNG(液化天然ガス)買主が「不可抗力」通知をした、と報じられている。
本欄でお伝えしたとおり、「不可抗力」に該当する事由があるかどうか議論があるところだが、売主側がこれを受け入れる可能性がまったくない訳ではない(2020年2月6日『「新型肺炎」で「歴史的安値」LNGスポット価格の「底値」は』)。
中国は、現在日本に次ぐ世界第2位のLNG輸入国だが、日本の需要増はまったく期待できない一方、近々、日本を抜いて世界最大のLNG輸入国になるのは確実だからだ。
世界各地には近々立ち上がるLNGプロジェクトが数多くある。また「LNG第2の波」の到来を期待している米国のみならず、今年中にも「FID(最終投資決断)」を目指しているプロジェクトもたくさんある。彼らはこぞって、中国のLNG輸入増に期待を寄せている。
したがって、厳密な契約上の法的解釈は別にして、今回は中国側の「不可抗力による一時的な契約義務免除」要請を受け入れる可能性があるというのは暴論ではないだろう。
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