記者会見で握手するジャパンディスプレイ(JDI)の菊岡稔社長(左)といちごアセットマネジメントのスコット・キャロン社長。「いちご」は果たして救世主となれるのだろうか (C)時事

 

 「ジャパンディスプレイ(JDI)」が、再び「ゾンビ企業」の本領を発揮した。

 1000億円を超える債務超過を抱えていたJDIは、出資を検討していた中国、台湾企業にも逃げられ、「いよいよ破綻か」という土壇場だった。しかし、シンガポールの投資会社「いちごトラスト・ピーティーイー・リミテッド」が、「救世主」として忽然と現れたのだ。

 その後、わずか数カ月の交渉で最大1008億円の出資を決め、JDIは奇跡的に生き延びた。

 突然現れた「いちご」とは何者なのか。背後を辿って見えたのは、意外なことに「自動車メーカー」の影だった。

「一期一会」が由来

 新聞は、JDIに投資する会社を「いちごアセットマネジメント」と表記している。

 2006年5月に設立されたこの会社は、渋谷区広尾に本社を置き、資本金は1000万円、従業員8人、2018年3月期の売上高11億2000万円の小さな所帯。大企業のJDIを救済できるような器ではない。

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