英「離脱」でEUの「短期的」影響「長期的」展望
2020年2月14日
英国が1月31日、欧州連合(EU)を離脱した。2016年のEU離脱を問う国民投票から3年半余り。双方合意の上での離別ではあるが、ブレグジットの瞬間、ロンドンとEU本部のあるブリュッセルの光景は対照的だった。
ブリュッセルでは、EU施設に掲げられた加盟国の旗の列から、英国旗が静かに引き下ろされた。
一方の英国政府は、ロンドンで離脱へ向けたカウントダウンの祝賀を催し、記念硬貨も発行した。
もちろん英国にとっては、2016年の国民投票と昨年の総選挙で示された民意が実現する機会ではある。政治の膠着に、ようやく終止符が打たれたという解放感もあろう。
だが、世論調査で国民の半分は依然、EU残留を望んでいるという現実は黙殺された。また、47年に及ぶEUとの関係解消に、惜別の情が希薄なことも露呈された。
統合欧州の母体である欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)がフランス、西ドイツなど6カ国で発足したのは1952年。28カ国体制にまで拡大と深化を続けたEUはこの日、ブレグジットにより史上初めて縮小へと反転した。
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