17日16時から行われた「積水ハウス」の和田勇・前会長兼CEOらによる記者会見。左から5番目が和田氏(筆者撮影)

 

 「積水ハウス」の和田勇・前会長兼CEO(最高経営責任者)らが、4月の株主総会に向けて、取締役の入れ替えを求める「株主提案」を会社側に提出したことが明らかになった。

 東京・西五反田の土地に絡んで、同社が55億円を騙し取られた「地面師事件」が、単なる詐欺被害ではなく、阿部俊則・現会長(事件当時・社長)らが「経営者として信じ難い判断を重ねた」ことによる不正取引であると主張、株主総会での阿部会長や稲垣士郎副会長(同・副社長)らの再任を阻む意向を示している。海外株主も和田氏らを支援しているといい、株主総会に向けて委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)に発展する可能性も出てきた。

地面師事件で「返り討ち」

 和田氏ら株主が2月14日に会社に求めた取締役選任議案では、和田氏のほか、昨年6月まで常務執行役員だった藤原元彦氏、同じく昨年まで北米子会社のCEOだった山田浩司氏、現役の取締役専務執行役員である勝呂文康氏の4人の積水ハウス関係者に加えて、米国人のクリストファー・ダグラズ・ブレイディ氏ら7人の独立社外取締役を候補としている。

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