前会長の逆襲「取締役入れ替え」株主提案で再波乱か「積水ハウス」

執筆者:磯山友幸 2020年2月17日
カテゴリ: 経済・ビジネス
エリア: アジア

17日16時から行われた「積水ハウス」の和田勇・前会長兼CEOらによる記者会見。左から5番目が和田氏(筆者撮影)

 

 「積水ハウス」の和田勇・前会長兼CEO(最高経営責任者)らが、4月の株主総会に向けて、取締役の入れ替えを求める「株主提案」を会社側に提出したことが明らかになった。

 東京・西五反田の土地に絡んで、同社が55億円を騙し取られた「地面師事件」が、単なる詐欺被害ではなく、阿部俊則・現会長(事件当時・社長)らが「経営者として信じ難い判断を重ねた」ことによる不正取引であると主張、株主総会での阿部会長や稲垣士郎副会長(同・副社長)らの再任を阻む意向を示している。海外株主も和田氏らを支援しているといい、株主総会に向けて委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)に発展する可能性も出てきた。

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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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