平壌のニット工場では、布製マスクを増産 (C)AFP=時事

 

「すべての党組織は新型コロナウイルス感染症の伝播を防ぐための事業を国家存亡と関連した重大な政治問題と考え、政治事業を強化し、緊急非常防疫指揮部たちと衛生防疫機関、治療予防機関、医学研究機関たちで、進行する住民たちに対する医学的監視と診断、治療薬物開発と関連した研究などが成功裏に進行するように積極的に推進しなければならない」

 これは朝鮮労働党機関紙『労働新聞』1月29日付に掲載された、「新型コロナウイルス感染を徹底的に防ぐには」と題された記事の一部だ。この記事は新型肺炎の感染防止を「国家存亡と関連した政治問題」と位置づけた。

 北朝鮮の『労働新聞』『民主朝鮮』や『朝鮮中央テレビ』などのメディアは、1月下旬から新型コロナウイルスに関するニュースを驚くほど詳しく、迅速に報道している。「情報閉鎖国家」とされる北朝鮮では、極めて異例の事態であり、それは北朝鮮がこの状況を極めて深刻に受け止めていることの証しでもある。

 中国の『国営中央テレビ』が、湖北省武漢市で発生した原因不明のウイルス性肺炎を巡り、発症者を検査した結果、新型のコロナウイルスが確認されたと報じたのが今年1月9日だった。武漢市当局は、発症者数は1月5日時点で59人、そのうち7人が重症で、死者は出ていないとした。

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