『共同通信』や『TBS』が報道した入管施設で発生した集団「暴行」の映像(YouTubeより)

 

 「あまりに酷くて、言葉も出ません」

 「人権軽視の国と思われても致し方ない」

 昨年12月、『共同通信』や『TBS』が入管施設で発生した集団「暴行」の映像を報道すると、インターネット上には、入管当局の非人道的な対応を疑問視する書き込みが相次いだ。

 多数の職員に取り押さえられ、「やり過ぎ、痛い」と悲鳴を上げるクルド人男性。「痛いか、痛いか」と煽るように大声を出す入管職員。法務省や出入国在留管理庁が入管施設の実態を積極的に広報することはないため、映像は多くの国民に衝撃を与えた。

 在留資格のない脆弱な立場の外国人を前に現れる権力の姿。社会から隔絶された密室で繰り広げられる「暴行」は、この国の深層をも映し出している。

親指で顎の下をぐりぐりと

茨城県牛久市にある東日本入国管理センター(筆者提供、2017年11月撮影)

 2019年1月18日深夜、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)。5人の職員がトルコ出身のクルド人デニズさんを取り押さえた。

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