見せかけだけの「偽装留学生」対策(下)

執筆者:出井康博2020年2月20日
筆者が入手した、在留資格認定証明書交付に関する最新の資料(本文参照)
 

「留学ビザの発給基準がすっかり厳しくなった」

 日本語学校の関係者と話すと、そんな言葉を最近よく聞く。

「あなたの記事のおかげだよ」

 と、「偽装留学生」問題を追及し続けてきた筆者へ嫌味を漏らす人もいる。

 新聞でも、法務省入管当局によるビザ審査の厳格化は時々報じられる。

 たとえば『日本経済新聞』(2019年8月22日朝刊)の〈留学ビザ交付率急低下 日本語学校希望者向け 審査厳格化で〉と題された記事で、こう書かれている。

〈ミャンマーやバングラデシュなどから(2019年=筆者注)4月に日本語学校への入学を希望した外国人への「留学」の在留資格認定証明書の交付率が、審査厳格化により昨年に比べ急降下したことが21日、日本語学校がつくる団体の調査で明らかになった〉

『日経』が引用した調査を実施したのは、一般社団法人「全国日本語学校連合会」である。調査では、全国708校の日本語学校のうち327校が回答している。

 留学希望者の国別交付率は、ミャンマーが前年度の76%から15%、バングラデシュは61%が21%、スリランカも50%が21%と大幅に下がったのだという。記事には、

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