「Vault 7」のページ(ウィキリークスより)
 

 アメリカ・ニューヨーク州の連邦裁判所で2020年2月4日、興味深い裁判が始まった。CIA(米中央情報局)の歴史上、最大規模の機密情報リーク事件の公判である。

 被告である元CIAのジョシュア・シュルテは、CIAがスパイ工作に使用するサイバー攻撃用のプログラムを製作する任務に従事していた。その立場で大量の書類を不正に獲得。後に内部告発サイト「ウィキリークス」に提供して、世界に公開したとされる。

 検察側は、シュルテがこれほどの機密情報をウィキリークスで暴露することは「壊滅的」であり、「米政府に対する情報戦争である」とも指摘している。

 一方のシュルテは、自分がウィキリークスと接触した証拠はないはずだと反論している。もっとも、大量のCIA機密情報は、今もウィキリークスで公開されたままだ。

CIAの活動実態が垣間見える一級品の資料

 ウィキリークスはその機密情報を「Vault7」という名前をつけて暴露している。ページの最初には、こんな説明書きがある。

「ウィキリークスはCIAからの新たな機密情報をまとめて公開していく。ウィキリークスは、同局に関するいまだかつてない量の情報に、Vault7というコードネームをつけた」

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