環境問題はエネルギー業界にとって待ったなしだが(写真はイメージです)
 

 昨年の夏、6.5兆ドル(約715兆円)を運用している世界最大級投資ファンド「ブラックロック」は、化石燃料産業への投資で過去10年間に9000億ドル(約99兆円)の利益を失っている、というレポートが発表され、金融界のみならず、エネルギー業界にも大きな影響を与えた。

 米国の「IEEFA」(Institute for Energy Economics and Financial Analysis=エネルギー経済・財務分析研究所)の当該レポートは、4.3兆ドル(約473兆円)の「パッシブ運用」(積極的に銘柄選択をするのではなく、アルゴリズムに基づいたり、インデックス投資信託などへ投資するスタイル)の大半を「エクソンモービル」「シェブロン」「ロイヤル・ダッチ・シェル」「BP」など、配当性向の高い大手石油会社へ投資をしたため、もっと株価上昇率の高い企業群に投資していれば得られたであろう利益と比較した上で指摘したものだ。

 これを機会に、石油ガス産業でも「座礁資産」(Stranded Assets)の議論が盛んに行われるようになったのは事実だ。

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