米韓合同軍事演習の延期について記者会見する米韓連合軍司令部の報道官ら(韓国・ソウル)(C)EPA=時事

 

「新型コロナウイルス」という「妖怪」は、東アジアの安保状況にも影響を与え始めた。

 米韓両軍当局は2月27日、韓国国防部で共同会見し、新型コロナウイルス感染防止のため、3月から開始予定だった米韓合同軍事演習を別途明らかにするまで延期する、と発表した。事実上の中止とみられている。

 米韓両軍は、

「韓国政府が新型コロナウイルスの危機の段階を『深刻』に引き上げたことで、既に計画していた米韓合同司令部の上半期の連合指揮所訓練を別の発表があるまで延期することにした」

 と発表した。

 米韓合同軍事演習が政治・軍事的な理由以外で、感染症を理由に中止されるのは初めてで、感染症が地域の安全保障にまで影響を与えることを見せつけた。

 米韓両軍は当初、3月9日から約2週間、今年前半期の合同指揮所訓練を実施する予定だった。

 この演習中止は、米韓両軍の北朝鮮に対する防衛訓練だけでなく、文在寅(ムン・ジェイン)政権が強く進めている有事の際の作戦統制権を米軍から韓国軍へ移管する問題にも影響を与えるとみられる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。