2012年、中国の砕氷船雪龍号が通った北極圏航路。青島から北極海を抜けてアイスランドにむかった(『北極ポータル』HPより)

 

 2013年11月、日露初の2プラス2(外務・防衛閣僚協議)が開催され、安全保障上の意識共有が図られた。

 協議については、公表内容から推測するしかないが、日露が安全保障上の姿勢を相互に牽制したほか、「北朝鮮の核兵器開発」が議題になったようだ。

 さらに前年の2012年7月から9月にかけ、中国の砕氷船雪龍号(2万1250トン)が、往路はロシアの排他的経済水域、復路は北極点付近経由でアイスランド訪問と北極海調査の航海を行ったことを取り上げ、「中国の北極海進出に対する警戒」について話し合ったとされた。

 雪龍号は北極海に入るに当たり、東シナ海→対馬海峡→日本海→宗谷海峡→オホーツク海→ベーリング海を経由している。この航路は、ロシアをして、中国の「北極海経由ヨーロッパへのシーレーン設定の企て」に対して、「日露で牽制する」思惑を働かせることになったとしても不思議ではない。

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