「新型コロナ恐慌」で中国経済「3月初旬」最大危機
2020年3月2日

WHO(世界保健機構)のテドロス事務局長ともども当初は「心配ない」と高を括っていたが、いまや政権最大の危機を迎えている(C)AFP=時事
中国の「新型コロナウイルス」感染は、習近平政権の強権的な押さえ込みで、拡大ペースが落ちてきた。早めの春到来で気温が上がってウイルスの活動が低下すれば、3月中旬にも山場は越えるだろう。
だが、感染拡大阻止優先で脇に置かれていた経済は、重篤な状態に陥っている。
ヒト、モノの動きが止まり、「売り上げゼロ」企業が続出しているからだ。
市民は外出を控え、最低限の食品と医療関連の購入、スマホゲームのダウンロードくらいしかお金を使わず、消費は想像を絶する落ち込み。
投資もウイルス対策の病院関連以外はゼロ水準に近い。
法人税減税、社会保険料減免などの政府の企業支援は、瀬戸際の企業を救うにはあまりに迂遠だ。
中国経済は「コロナ恐慌」のただ中にある。
「売り上げゼロ」
2月10日、中国の多くの地域では、コロナ感染拡大阻止のため延長されていた春節(旧正月)休暇が明け、企業活動が再開した。とはいえ、現実にはオフィスへの出勤者は制限され、工場も全面再稼働からはほど遠い。
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