仏エリゼ宮「女性ソムリエ」が切り開いた地平と現在
2020年3月6日

フランス大統領官邸「エリゼ宮」のワインセラーを管理する女性ソムリエのビルジニ・ルティスさん。その道のりは平坦ではなかったようだ (C)AFP=時事
フランス大統領官邸「エリゼ宮」のワインセラーを預かるのは、女性ソムリエのビルジニ・ルティスさん(41)。エリゼ宮に入って13年。世界の元首の館で唯一の女性ソムリエだ。
徹底した地元産
スペイン国境に近い大西洋岸のビアリッツは、フランス南西部のバスク地方の主要都市だ。昨年8月、ここで主要国首脳会議(G7サミット)が開かれた。
3日間の日程の初日、エマニュエル・マクロン仏大統領主催の非公式晩餐会がもたれた。会場は大西洋の波が打ち寄せるビアリッツ灯台のテラス。いかにもフランスらしい演出で、水平線に落ちていく夕陽を眺めながら、安倍晋三首相を含む7カ国首脳とEU(欧州連合)大統領は食事を堪能した。メニューは次のようなものだった。
セドリック・ベシャード料理長の現代風ピプラッド
一本釣りマグロのマルミタコ サン・ジャン・ド・リュズ風
バスク地方のチーズ
バスクのガトー
ドメーヌ・ブラナ 2018
シャトー・ブースカッセ 2011
シャンパン オマージュ・ア・ウィリアム・ドゥーツ 2010
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