今や人から動物への感染も警戒対象(ベトナム北部ハノイで行われたキャットショー)(C)AFP=時事
 

 今や世界は、新型コロナウイルスとの戦いに政治、経済はもちろん国民、企業も巻き込んだ“対感染症戦時体制”に突入した。封じ込めは道半ばだが、その過程で浮かびあがったのは、アジアにおける明暗だ。

 日本、中国、韓国が政権の失態で大混乱に陥る一方、事態に迅速に対応したのがベトナム、台湾である。

 中国は習近平政権の隠蔽と強権姿勢に国民が強烈に反発、韓国は文在寅(ムン・ジェイン)政権の失策と感情的な対応が続き、国民が政権を見放す事態。日本は安倍晋三首相の思いつきだけの政策に行政機構が機能せず、振り回される国民の不満は募る。

 一方ベトナム、台湾は政府の水際対策で感染拡大を防ぎ、経済の落ち込みも限定的。新型コロナ感染を経て、各国の国内権力構造とアジアにおける勢力図は塗り替えられるだろう。

新型コロナを追い風に

 ベトナムの2月の鉱工業生産指数は前月比で8.4%増、前年同月比で23.7%増と絶好調だ。インフレ懸念が強まったため、ベトナム国家銀行(中央銀行)は1月下旬から2月半ばにかけて売りオペを実施し、市中から資金を吸収したほどだ。

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