「新型コロナ危機」対処は「WHO改革」から
2020年3月21日
「新型コロナウイルス」が、なりふり構わず猛威を振るっている。目に見えない敵と戦っている世界の人々は、いつ新型コロナの感染が収まるのかを知りたいと熱望している。
当初、新型コロナの感染性と毒性は弱いとみられていたため、中国政府の初動が大幅に遅れてしまった。その後の実態をみれば、ウイルスの感染性も毒性も、インフルエンザウイルスに勝るほどである。
今回の新型コロナ危機は、世界各国のリスク管理能力をテストする重要な試金石となっている。改めて、基本的な事実経過を確認しておきたい。
医療施設と情報の不足
中国は、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)の蔓延を経験したが、そのときの教訓は今回ほとんど生かされていない。
そもそも中国で新型コロナの感染が急拡大したのは、感染症に対応する医療施設が大幅に不足していたからである。
今年1月、新型肺炎を発症した武漢市の患者は病院の普通外来に殺到したが、隔離措置はほとんど実施されていなかった。
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