「新型コロナ危機」対処は「WHO改革」から

執筆者:柯隆 2020年3月21日
エリア: アジア
武漢市の住宅街で、消毒剤をまく医療関係者。中国政府もWHOも初動が遅かった (C)AFP=時事

 

「新型コロナウイルス」が、なりふり構わず猛威を振るっている。目に見えない敵と戦っている世界の人々は、いつ新型コロナの感染が収まるのかを知りたいと熱望している。

 当初、新型コロナの感染性と毒性は弱いとみられていたため、中国政府の初動が大幅に遅れてしまった。その後の実態をみれば、ウイルスの感染性も毒性も、インフルエンザウイルスに勝るほどである。

 今回の新型コロナ危機は、世界各国のリスク管理能力をテストする重要な試金石となっている。改めて、基本的な事実経過を確認しておきたい。

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執筆者プロフィール
柯隆(かりゅう) 公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
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