米政治「空白」の間に合意した「RCEP」は船出できるか

11月15日、オンライン首脳会議でRCEPは合意したのだが (C)AFP=時事

 

 グローバリズムを国際協力と定義するならば、この4年間でグローバリズムは明らかに後退している。ドナルド・トランプ米大統領が、多国間の枠組みよりも2国間の枠組みが効率的と考えているからだ。

 効率的とは、2国間交渉はアメリカにとって有利であることを意味する。トランプ大統領の考え方は明らかに国際協力、あるいは国際協調というものではない。

機能不全の国際機関

 とはいえ、トランプ大統領が指摘している多国間の枠組みが機能しなくなったことは確かであろう。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
柯隆(かりゅう) 公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
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