この「濃厚接触」がロシア国内に衝撃を与えた(左は専門病院のプロチェンコ医長)(C)AFP=時事

 

 徹底した水際作戦で「新型コロナウイルス」の封じ込めに成功していたロシアで、この数日感染者が急増。3月31日には計2337人(死者17人)となり、日本の2119人(死者59人)を初めて上回った。

 4月3日には3548人(死者30人)に増加。首都モスクワが全体の約3分の2を占めており、セルゲイ・ソビャーニン市長は、

「実際の感染者は確認された数字をはるかに上回る」

 と警告した。ウラジーミル・プーチン大統領は30日から9日間の「有給非労働期間」を設定し、事実上の外出禁止を命令。この措置は、 4月末まで延長された。4月22日に予定されていた、大統領の5選を可能にする憲法改正国民投票も、コロナ問題が収拾するまで無期延期となった。

 原油価格暴落に伴う経済危機の到来やプーチン人気の低下も伝えられ、コロナ禍はロシアの内外政策に憂鬱な事態となった。

軍や刑務所で爆発的感染説

 ロシアの感染者数は西欧諸国に比べて少なかったが、3月最終週から急増し、31日には500人以上が新たに感染した。西欧諸国のような爆発的増加ではないものの、プーチン大統領は、

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