防護服やマスクの在庫をチェックするイェンツ・シュパーン独保健相。3月26日時点で、「現在は、嵐の前の静けさ」と語っていたのだが…… (C)EPA=時事

 

 中国に続き第2の震源地となった欧州では、最初の感染者が2月にイタリアで見つかってから2カ月経った今でも、ウイルスの拡大が止まらない。「欧州疾病予防管理センター」(ECDC)によると、4月5日の時点で欧州の感染者数は55万5809人、死者数は4万4955人に達している。

 欧州の感染者の大半はイタリア、スペイン、ドイツ、フランスに集中している。これらの4カ国で40万9687人が感染しており、死者数は3万6008人にのぼる。欧州全体の犠牲者数の約80%だ。

「まるで戦場だ」

 欧州で最も被害が深刻な国の1つであるイタリアの感染者数は、4月5日の時点で12万4632人、死者数は1万5362人に達する。「ジョンズ・ホプキンス大学」、「世界保健機関」(WHO)の統計によると、イタリアの感染者数と死者数は中国を上回る。

 特に同国北部のロンバルディア州では、重症者の数に比べて医師、看護師、集中治療室(ICU)や人工呼吸器が不足している。イタリアでは3月の最後の1週間に、ほぼ毎日約600~900人もの死者が出た。

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