あたかも霧の中のごとく先が見通せない「OPECプラス」だが……(C)EPA=時事
 

 いわゆる「逆オイルショック」が起こったとき、筆者はロンドンでオイルトレーダーをしていた。と言っても、日系商社の石油部隊でのことだから、プロから見れば「真似事」程度のことだっただろう。でも、知り合いの紹介で「ブレントクラブ」に入れてもらい、「15日物ブレント原油」と呼ばれる「先渡し取引」に従事していた。

 先渡し取引とは、受け渡しが将来のものだという意味では「先物」に近く「現物」とは異なるが、権威に裏付けられた「先物取引所」経由ではない、トレーダー同士が相対で取引するものだ。「現引」もできることから、取引単位が60万バレルと大きいことが特徴だった(ちなみに先物取引は1000バレルが取引単位だ)。

 したがって、当時の価格で一取引当たり2000万ドルほどの取引金額になるので、信用できる相手としか取引しなかったのである(ご興味のある方は弊著『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?』2016年9月、文春新書、P151「ブレントクラブへようこそ」の項をお読みください)。

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