2人に絞られた「スーパーチューズデー」

執筆者:横田増生2020年4月11日
スーパーチューズデー直前に行われたサンダース氏の支援者集会(筆者撮影、以下同)
 

【編集部より】 すでに報道でご承知のとおり、4月8日、序盤戦で最有力だったバーニー・サンダース(78)が選挙戦からの撤退を表明しました。

 この結果、民主党大統領候補者は、7月から8月に延期された「民主党全国党大会」を待たず、事実上、前副大統領ジョー・バイデン(77)に確定しています。

 本稿では、3月3日に行われた「スーパーチューズデー」の現地取材の様子をお届けしますが、現時点からすでに1カ月前の情報であることをご承知おきください。

 ただし、この時点では上記2人以外の民主党有力候補者がまだ熾烈な選挙戦を戦っていました。そうした状況下で実際の選挙戦を現地で取材し、投票に訪れた有権者の生の声をお伝えすることは、米国民が指導者に何を求め、国家にどんな変革を期待し、そして各候補者のどの部分に希望を見出していたかを見極めることになり、それは同時に米国、そして米国民が抱えている問題、現状を浮き彫りにすると考えます。ぜひ、じっくりとお読みください。

8800キロを移動して

 大統領選最初のヤマ場である「スーパーチューズデー」の取材のため、私がサウスカロライナ州の州都コロンビアを出発したのは3月1日のこと。午前7時台の飛行機に乗った。レンタカーを返す時間も考え、5時台に起きて準備した。次の取材地はカリフォルニア州ロサンゼルスだ。

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