4月12日に開かれた最高人民会議。金正恩党委員長の姿はなかった[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 

 北朝鮮は4月12日、平壌の万寿台議事堂で最高人民会議第14期第3回会議を開催した。

 最高人民会議常任委員会は3月20日に、最高人民会議を4月10日に平壌で開催することを決定していたが、2日遅れでの開催となった。

 開催延期の理由は不明だ。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、前日の4月11日に開かれた党政治局員会議には出席したが、最高人民会議には出席しなかった。このため、金党委員長の新たな対米外交方針などの表明はなかった。

 世界的に「新型コロナウイルス」感染が拡大し、北朝鮮でも厳しい防疫態勢が取られているが、党機関紙『労働新聞』などに掲載された写真などでは、参加した数百人の代議員(定数は約680人)の中に、マスクを着けた姿は確認できなかった。

 最高人民会議では「社会的距離」を取るといった配慮もしているとは見えず、マスク姿もなく、「感染者ゼロ」を内外に誇示した形だ。

 最高人民会議が2日遅れで開催されたのは、代議員の感染検査などを徹底的にやったためだ、という可能性も排除できない。金党委員長を除く指導部がほとんど参加した会議だけに、何の対応もなく開催したとは思えない。但し、検査は代議員だけでなく、人民に対して行うべきだろう。

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