今年2月、決算会見で「ウィーワーク」について説明するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長 (C)時事

 

 「ソフトバンク・グループ」(SBG)は4月13日、2020年3月期末の業績予想を下方修正した。最終損益は7500億円の赤字、営業損益は1兆3500億円の赤字になる見通しだ。

 世界のベンチャー企業に8兆5000億円を投資した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)が1兆8000億円の投資損失を計上する。20億円の投資が9000倍の18兆円になった中国のアリババ・グループが命綱だが、「第2のアリババ」が見つからず、孫正義会長兼社長の投資戦略は、迷走を続けている。

「セクハラ」「暴言」「暴力」

 〈嵐の前では臆病だと笑われるくらい守りに徹した方がいい。それが本当の勇気だと思う〉

 4月15日、孫氏は自らのツイッターでこう呟いた。新型コロナウイルスの影響で「大恐慌」が囁かれる中、「大赤字を計上したのは保守的な決算で守りを固めるためだ」という意味だろう。

 しかし、「守りに徹した」という孫社長の言葉を額面通り受け取るわけにはいかない。

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