与党は大勝したが、レームダックの危機はこれから? (C)EPA=時事

 

「100年に1度あるかどうか(の大勝利)だ」――韓国の与党「共に民主党」の選挙対策委員長を務めた、李海瓚(イ・ヘチャン)同党代表の総選挙後の「驚きの言葉」だ。

 韓国で4月15日に行われた総選挙は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の「新型コロナウイルス」対応が評価され、地方区で与党「共に民主党」が163議席、比例区で同党の衛星政党「共に市民党」が17議席を獲得し、与党は全議席数(300議席)の6割を占める180議席を獲得して圧勝した。

 1987年の民主化以降の韓国の総選挙で、与党が最も多くの議席を獲得したのは、2008年の保守党「ハンナラ党」(全議席の51.2%)だった。今回の「共に民主党」の勝利はこれを上回る60%で、歴史的勝利である。

 韓国国会では2012年に「国会先進化法」が成立し、いかなる法案も院内交渉団体の間で合意がない限り、本会議に上程されないことになった。

 

 だが、議員の5分の3以上が「ファストトラック」(迅速処理案件)に指定すれば、本会議に上程できるという例外措置が設けられている。今回の与党の獲得した180議席は、与党1党だけで「ファストトラック」に指定でき、憲法改正(議席の3分の2以上が必要)以外は何でもできるという絶対的な力を与党に与える議席数である。

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