まだ誰も先行きを見通せないでいる(事務局長が悲痛な叫びを発した業界団体「IOGP」のHP
 

「過去に何回も底に沈んだことがあるが、必ず復活してきた。だが、今回は違う。すべてが変わってしまった。ふたたび復活できるのか、正常に戻れるのか、わからない……」

 これは『フィナンシャル・タイムズ』(FT)の取材を受けた「国際石油・天然ガス生産者協会」(IOGP)事務局長の言葉(の要約)だ。

 筆者が「海図のない航海」へ石油市場は漕ぎ出してしまった、と表現していることを、油田サービス企業としては世界最大の「シュルンベルジェ」で活躍し、2016年から同協会の事務局長を務めているゴードン・バラードが、大手石油産業の観点からこう述べているのだ。

 ちなみに「IOGP」とは、健康、安全、環境、セキュリティ、社会的責任、エンジニアリング、運用の改善を達成するためのベストプラクティスをメンバーが特定し、共有する石油産業のグローバルフォーラムで、世界中の大手石油企業83社が加盟している。日本最大の石油開発会社「国際石油開発帝石」(INPEX)もメンバーとなっている。

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