90年前「世界大恐慌」から学べる「教訓」
2020年4月30日
米ニューヨーク商業取引所で4月20日、原油先物価格が史上初めてマイナスとなった。米国原油の指標であるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が、1バレル当たりマイナス37.63ドルで取り引きを終えたのだ。簡単に言えば、原油を買うとお金をもらえるというわけである。
新型コロナウイルス感染症の蔓延で、世界の原油消費が一気に冷え込む中で、貯蔵施設が5月に満杯になる恐れがあるとの見方が広がった。先の「マイナス価格」は、生産者が買い手に代金を払ってでも引き取ってもらいたいという状態になっていることを意味している。
5月物の最終取り引きを翌日に控えていたという特殊事情があるとはいえ、いかに「需要が消えた」ことのショックが大きいかを物語っていた。
大量の失業者を生まなければ
世界はいま、未曾有の大恐慌のとば口に立たされている。新型コロナの蔓延で経済活動が「凍りつき」、猛烈な勢いで経済収縮が始まっている。新型コロナが早期に収束しないと、これまで経験したことのない大デフレがやってきそうだ。その予兆の1つが、原油市場で誰も経験したことのなかった「マイナス価格」だということだろう。
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