頭の中には「再選」の二文字しかなさそう(C)AFP=時事
 

 今回の「マンデー大暴落」に代表される石油市場の大混乱は、ドナルド・トランプ大統領の「石油政策」なるものが如何に首尾一貫性のないものだったのかを露呈している。

 皆さんもご存じのように、米国は昨年9月、その種の統計を取り始めてから初めて「月単位」で石油の「純輸出国」に転じた。原油と石油製品の、輸出量と輸入量を総合計して、輸出量>輸入量になったのだ。2020年には「年単位」でも「純輸出国」になる、と見られていた。

 トランプ大統領は、これで我が国は「エネルギー自立(Energy Independence)」を達成した、如何なる海外からの影響も受けずに、我々は必要なエネルギーを自給できる、と胸を張った。

 この時は発言していないが、心の中ではこれで「『エネルギー支配(Energy Dominance)』への大きな一歩を踏み出した」と得意だったことだろう。

 それから半年。

 トランプ大統領はサウジアラビアやロシアに、減産を懇願している。自らの再選に重要な票田である米シェール産業が壊滅の危機に直面しているからだ。

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