岩瀬昇のエネルギー通信 (265)

やはりトランプ大統領「石油」「外交」政策のデタラメ

頭の中には「再選」の二文字しかなさそう(C)AFP=時事
 

 今回の「マンデー大暴落」に代表される石油市場の大混乱は、ドナルド・トランプ大統領の「石油政策」なるものが如何に首尾一貫性のないものだったのかを露呈している。

 皆さんもご存じのように、米国は昨年9月、その種の統計を取り始めてから初めて「月単位」で石油の「純輸出国」に転じた。原油と石油製品の、輸出量と輸入量を総合計して、輸出量>輸入量になったのだ。2020年には「年単位」でも「純輸出国」になる、と見られていた。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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