F35戦闘機(写真)を、新型コロナ蔓延の今慌てて購入する必要は……(航空自衛隊HPより)

 

 筆者は、航空自衛隊員として35年間勤務した。従って、航空自衛隊の応援をして然るべきである。

 しかし、ここでの提言が、「空自を強くするどころか、足を引っ張る」ことになり、筆者自身にとって、古巣に対する裏切りに等しい感情を湧き立たせる悩ましい内容であることを前もって断っておく。

今こそ「最高度の我慢」を

 日本では、先の戦争から75年経過しても敗戦のPTSD(心的外傷後ストレス障害)が消えず、自衛隊を「軍隊として認知する」ことに拒否反応が強い。

 その時代精神に過敏な自衛隊では、自ら「旧軍と距離を置く」PTSDに罹患し、多くの軍事用語をタブーとした。「戦時」ではなく「有事」と言い社会的批判を憚(はばか)る例はその典型である。

 他方でその好対照となっているのは、自衛隊と距離を置く識者が、「新型コロナウイルス」対処を「戦争」と言い、「今は戦時」と言っていることだ。

 日本が世界に挑戦した先の戦争において、国民は、「欲しがりません勝つまでは」の合言葉で何もかも切り詰め、我慢して「戦時一辺倒」の生活を強いられた。

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