わずか「1カ月半」でここまで変わった原油市場の「予測」
2020年5月1日
皆さんは記憶力に自信がありますか?
今夏の東京オリンピック・パラリンピック開催を断念したのは3月24日のことだった。
その9日前の3月15日、筆者は1本「フォーサイト」用の記事を書き上げていた。
だが、推敲をしている最中にサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」の2019年決算が発表され、『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が要点を報じている記事に遭遇した。
読者の関心もニュースバリューも、「サウジアラムコ」が昨年12月初旬に上場してから初めて行った決算内容の方が高いだろうと判断し、速攻で『初決算「サウジアラムコ」の「設備投資削減」でも「生産能力増」は実現可能か』(2020年3月17日)を書き、掲載してもらった。
ひょんなきっかけから、お蔵入りとなっていた「幻の3月15日稿」を読み返してみたら、我ながら非常に興味深い。
たった1カ月半前のことだが、人の「予測」というものが、如何に不確実なものかがよく分かるのだ。
安部晋三首相も小池百合子都知事も、まだ「2020年夏」開催に強いこだわりを見せているころ、筆者は「無理では?」と書いている。根拠は、「新型コロナウイルス」のパンデミックが、いまだアフリカや中南米では「前夜」段階にあったからだ。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。