レクサスとオタク部屋

執筆者:池内恵2020年5月3日

しばらくこの欄での「つぶやき」に間が空いてしまった。4月は研究室で2つの大型予算を受け入れてプロジェクト組織を行政的に立ち上げる作業に専念していた。1つは石油会社との産学連携、もう一つは外務省の調査研究事業の受注であり、こういった産官学での組織的な取り組みの成果も、この欄で逐次お伝えしていきたい。

その間に『フォーサイト』のデザインもリニューアルされたようで、ずいぶんスッキリしてきた。私は個人的には、『フォーサイト』はスッキリすればするほど良いと思っている。SNSで無料の情報が溢れる中で、週に何本か「これさえ読んでおけば良い」という記事を厳選してくれる媒体が切実に求められている。

『フォーサイト』のどの記事を読んでいても画面の右端に固定でお邪魔している「中東通信」だが、この度お仲間が増えた。今や『フォーサイト』の目玉と言うべき岩瀬昇さんの「エネルギー通信」が、固定窓に移ってきた。

「お仲間」などというのもおこがましい。先日はニコニコ生放送の『国際政治チャンネル』にゲストとしてお招きする念願の企画が実現したが、さながらオタクのサークル部屋にプロのエネルギー商社マンがレクサスで乗りつけたような趣であった。池内研究室の特任助教で『フォーサイト』の常連の寄稿者でもある小泉悠さんと一緒に 2020年 石油価格戦争 と題して議論したが、楽しんでいただけただろうか。この鼎談の要所は近く『フォーサイト』に掲載される予定である。

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