ムハンマド皇太子は「シェール潰し」の石油価格下落政策でトランプの虎の尾を踏んだか
2020年5月3日
ここのところの目立ったスクープと言えば『ロイター』のこの記事だろう。
トランプ大統領は4月2日に、サウジのムハンマド皇太子(MBS)との電話会談で、OPECで石油減産を取り決めるよう、「最後通牒」を突きつけたという。サウジが石油価格下落の原因となっている石油増産政策を改めなければ、米議会による、サウジへの軍事支援を差し止めるよう要求する法案の可決を、トランプ大統領が止められない(止めない)、という脅しによって、ムハンマド皇太子に減産を呑ませたようだ。
米のサウジへの軍事支援の差し止めは、米・サウジの75年に及ぶ「石油と安全保障の交換」を決定的に損ないかねない措置であり、中東の安全保障の礎を揺るがしかねない。サウジの国のあり方、現在の実質上の最高実力者であるムハンマド皇太子の手法や資質については、米議会から批判が強まっており、それをトランプ大統領が差し止めることで、サウジ・ムハンマド皇太子の最大の支援者となっていた。
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