やはり米シェール業界「大苦境」の生々しい実態
2020年5月8日
「NYMEX」(New York Mercantile Exchange)初の「マイナス価格」が出来した「マンデー大暴落」については、貯蔵タンクを用意できない投機的「ロング」(買い持ち)ポジション保持者が、現物引き取りを義務付けられることを恐れてパニック売りしたのが理由だ、と多くの人が理解するようになっている。
これは、より多くの人に「エネルギーリテラシー」をもっと高めてもらいたい、そのお手伝いをしたいと願っている筆者にとって、非常に嬉しいことだ。
だが、原油もまた「商品」なので、いわゆる「コンタンゴ」(先高)が正常で、「モノ」としての価値がある限り「マイナス価格」になることは論理的にはありえない、という解説をする「専門家」が多いことには、あれれ、まだまだやることは多いな、と感じている。
確かに原油も「商品」だが、銅や小麦などとは異なる性質を持っているので、「バクワデーション」(先安)が正常だというのが筆者の理解だ。
その理由は、貴金属トレーダーの実務経験もお持ちの著名な経済評論家である豊島逸夫氏が『日本経済新聞』に寄稿した記事を読んで、オイルトレーダーをしていたロンドン時代のエピソードを交えて書いた、2015年12月9日付『岩瀬昇のエネルギーブログ #117原油市場では「コンタンゴ(順ざや)」は普通ではない』に詳しいので、ぜひお読みいただきたい。
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