2期目に突入した蔡政権は如何なる「両岸関係」を築くのか(C)時事

 

 5月20日、台湾の蔡英文政権は2期目に突入する。

 米中関係は相変わらず不安定なままだ。新型コロナウイルスを巡って反中気運が高まっていると伝えられるワシントンだが、半年後には大統領選挙を控えている。それだけにドナルド・トランプ大統領以下政権中枢が“威勢のいい発言”を繰り返そうとも、やはり当分は現状維持が関の山ではないか。ここまで先鋭化した米中対立が、短期間に好転する可能性も極めて低いだろう。

 一方の習近平政権は、新型コロナ対策によって隠蔽・強権体質が一層明確化したとの欧米諸国からの批判をものともせず、従来の大国化路線を修正する素振りも見せない。おそらく北京では習近平一強体制における勝ち組の力が、負け組を凌駕しているに違いない。

 この国は変わらず内政最優先の、図体の大きな“呆れるほどに夜郎自大”な国のままである。

 こう見てくると、依然として台湾海峡は波高しだ。台湾経済も、新型コロナに起因する世界的大不況から無傷ではいられないだろう。

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