ますます遠のく「悲願」(C)AFP=時事
 

 新型コロナウイルスは日本国内での感染者増加のピークが過ぎ、減少傾向にあるようにも見えるが、再び感染者数が増加傾向に転じる可能性はあり、予断を許さない状況が続いている。

 政界でも当然ここ数カ月、話題はコロナ対策一色。経済政策や社会保障、安全保障、外交などすべての政策的なテーマがコロナ問題との関連で語られてきた。

 コロナ対策は今の国民の最大の関心事である。ということは、政治家の最大の関心事でもある。不謹慎な言い方になるが、このテーマで国民にどのような印象を残せるかが、政治家自身の将来を左右することになるからだ。

政治家が飛びつきたくなる「お得なテーマ」

 新型コロナの感染拡大で急激に失速した日本経済の立て直しのため、経済対策は喫緊の課題である。しかも、経済対策はコロナ関連の中で、政治家にとってお得なテーマでもある。

 資金繰りに苦しみ家賃や給与を払えない中小企業や個人事業主、休業などで収入が減少した生活困窮世帯――。

 こうした人々への支援を充実させることは、国民うけが良く、手柄を立てたい政治家が飛びつきたくなる政策である。

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