「コロナ禍」の陰で「日本語学校」悪質極まる「人権侵害」の闇を追う(下)
2020年5月21日

帰国することもできず、途方に暮れていたベトナム人留学生のクオン君(筆者撮影、以下同)
「セントメリー日本語学院」(以下、セントメリー)が「成績証明書」や「出席証明書」の発給を拒んだ結果、多くの留学生たちが希望する進学や就職を果たせなかった。日本語学校を監督すべき立場の行政はどう考えるのか。
セントメリーは筆者の取材に対し、こう回答している。
〈各種証明書の発行は在学生から請求が有る場合に、県学事課と入国管理局の指導のうえ発行しています。〉
発行を拒否したのも、栃木県や法務省入管当局の指導があったからだというのだ。本当にそうなのか。
〈学校の責任〉を問わない栃木県
栃木県文書学事課に対し、証明書の発行拒否問題について尋ねると、こんな一文から始まる回答が返ってきた。
〈成績証明書や出席証明書の発行に関する日本語教育機関の対応については、所管である出入国在留管理庁に御確認ください。〉
と断ったうえで、回答はこう続く。
〈なお、学校教育法及び学校教育法施行規則上、成績証明書や出席証明書の発行について定めがありませんが、一般論としては、証明書の交付請求が不当な目的をもってなされたものでなければ、原則として証明書を交付すべきものと考えます。〉
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