前政権時の政策がネックになっている(C)EPA=時事
 

 ジョー・バイデン前副大統領は事実上の民主党大統領候補指名を確実にしているが、最近、バイデン陣営はある有権者グループに対して支持を求める「アウトリーチ活動」を積極的に展開し始めている。

 その有権者グループとは、社会的少数派(マイノリティ)の中ではアフリカ系有権者を上回り最大の規模を誇るヒスパニック系有権者である。

最も急速に増大

 ヒスパニック系は近年米国内で最も急速に増大しており、全米で約6000万人在住している。

 このうち、今年11月3日に投票が行われる大統領選挙では、有権者全体の13%に相当する3200万人のヒスパニック系有権者が投票する権利を持っており、マイノリティの中では最大の有権者グループである。

 将来的にも米国政治に対するその影響力をますます増大させることが確実であるヒスパニック系有権者の支持を確保することは、バイデン氏がドナルド・トランプ大統領の再選を阻止してホワイトハウスを奪還するためには絶対に必要となる。

新型コロナと経済苦境のタブルパンチ

 現在、米国内の新型コロナウイルス感染者数は155万人を上回り、死者数も9万4000人に迫ろうとしており、いずれも世界最多となっている(5月21日時点、米ジョンズ・ホプキンズ大学調べ)。

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