「賠償地獄」「経済崩壊」回避で中露「密約」の動き
2020年5月25日
「新型コロナウイルス」の発生源となり、初動の不手際が国際的な非難を浴びる中国に対して、損害賠償を求める動きが各国で広がり、米、英、伊、独、エジプト、インドなど少なくとも8カ国が賠償を要求、請求総額は100兆ドル(約1京1000兆円)に上る――とフランスの放送局『RFI』が4月末に報じた。
中国の国内総生産(GDP)の7年分に相当し、この動きが広がれば、中国は「賠償地獄」に陥りかねない。
主権が及ばない実際の訴訟は非現実的だが、中国が自らの責任を全面否定し、国営メディアを通じて米国の陰謀説を流すのは、損害請求をけん制する狙いがあろう。賠償要求が浮上するたびに、中国外交は守勢に回り、国家イメージが傷つけられる。
中国責任論をめぐって、「放火犯」に同調する主要国はロシアだけだ。ウラジーミル・プーチン大統領は4月16日、習近平中国国家主席との電話会談で、中国の責任を問う米国を批判し、中国を擁護した。
ロシアは新型コロナによって最大級の被害を受けており、国内世論もSNSで「武漢ウイルス」「中国の仕業」などと中国を批判する声が根強い。プーチン政権がそれを封印し、中国を擁護したのは、中国に恩を売ることで、「コロナ後」の経済再建で支援を求める深謀遠慮がありそうだ。
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