首都ドーハの高層ビル群。世界屈指の産油国としての経済力で近年急速に発展した(写真はイメージ)
 

「石油開発とは、結局は金持ちが勝つゲームだ」

 これは、誰の言葉だろう?

 首都圏および北海道を含めた5都道県で最後まで続いていた「緊急事態宣言」が明日から解除されると報じられた2020年5月25日の午後、『フィナンシャル・タイムズ』(FT)の記事「Qatar pushing ahead with LNG expansion despite slumping demand」を読んでいて、とつぜん脳裏に浮かんだ言葉だ。

 石油産業の歴史を振り返ると、何だかんだと言って「Boom and Bust」(好不況の循環)を繰り返しており、不況のたびに激しい生き残り競争が行われ、業界「再編」が繰り返されては財務体質の強い企業が生き残ってきている。

 もちろん、有能な経営者同士が競った場合の話で、無能な経営者がいたら、その会社の財務体質はまたたくまに脆弱なものになりかねない。

 足元を見ると4月20日(月)、「NYMEX」(New York Mercantile Exchange)のWTI(West Texas Intermediate)原油5月「限月」(受け渡し)が史上はじめて「マイナス価格」で取引されたことに象徴されるように、原油価格は低迷を続けている。

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