「株価堅調」でも上場企業「破綻続出」の不安

執筆者:磯山友幸2020年5月27日
経済の悪化が懸念されているのに、なぜ株価は堅調なのか…… (写真はイメージです)

 

 新型コロナウイルスの蔓延による経済への打撃が広まっている中で、不思議なことに株価が堅調な動きを続けている。

 米国の議会予算局は4月24日、足下の4-6月期のGDP(国内総生産)が前期比年率で39.6%減となるとの予測を公表。日本でも、日本経済研究センターが5月14日にまとめた民間エコノミストの予想平均として、21.3%減という数字を発表している。

 いずれも前例のない落ち込みで、1929年から始まる世界大恐慌を上回る経済収縮になるとの見方が強まっている。

 ところが、米株式市場で3万ドル乗せ目前だったダウ工業株30種平均(NYダウ)は2月下旬から急落し、3月23日には1万8000ドル台を付けたが、経済活動が止まっているのを横目に急反発して2万4000ドル台にまで戻している。

 そして日本の日経平均株価も、2月の2万3000円台から1万6358円まで下げた後、V字回復し、その後は2万円台を回復している。

 経済の悪化が懸念される中で、いったい何が起きているのだろうか。

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