欧州終戦の日(VEデー)に演説を行ったエリザベス女王。落ち着いたもの腰で語りかける姿は、とても94歳とは思えない (『BBC』HPより)

 

 この4月で94歳。終身君主の道を最高齢で歩み続ける英国のエリザベス女王がすこぶる元気だ。

 新型コロナウイルスの感染に用心して、ロンドン郊外のウィンザー城に自主隔離しているが、機会を見ては映像を通してメッセージを発信している。

 イギリス連邦の統合として生涯を全うしたいという使命感と、規則正しい生活と食事。これが女王の健康と長寿を支えている。

いまは我慢する時とのメッセージ

 エリザベス女王は欧州で第2次世界大戦が終結した5月8日(VEデー)に、テレビ演説を行った。75年前のこの日、女王の父ジョージ6世国王は、午後9時にラジオで国民向けの演説をしたが、女王もそれに倣って午後9時、ウィンザー城の、父の写真を飾った客間から約4分間、国民に語りかけた。

 あらかじめ録画された演説で、女王は多くの犠牲の上に今日の繁栄があると述べ、

 「決してあきらめない、絶望しない。これがVEデーの教訓でした」

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