5月18日に行われた独仏首脳会談での、マクロン仏大統領(左)とメルケル独首相(右)。ここで「ユーロ債」発行が提案された (C)AFP=時事
 

「新型コロナウイルス」の感染拡大が深刻だったヨーロッパ諸国だが、およそ2カ月近くに及んだ外出禁止令の解除が段階的に始まった。

 もっとも各国政府は決して安心したわけではなく、第2波の脅威に備えながらの解除だ。単純に喜べない点も多いが、それでも欧州に薄日が差してきたことは確かである。

 そして解除後の最大の問題は、経済復興ということになる。

 このタイミングで5月27日、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長はテレビ欧州議会で、今後の経済対策についての資金援助の提案を行った。

 7500億ユーロ(約95兆円)に上る援助提案だ。

 このうち5000億(約63兆円)ユーロは補助金として、残りの2500億ユーロ(約31.5兆円)は返済義務のある融資の形をとる。

 支援部門は自動車・航空宇宙・デジタル・観光などである。また、最も大きな額の支援対象となるのは、新型コロナウイルス感染の被害が甚大であり、経済基盤の脆弱なイタリアとスペインで、それぞれ1730億ユーロ(約21兆円)と1400億ユーロ(約17兆円)の支援となる。

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