新型コロナ「抗体検査」を行った「経緯」と「結果」

執筆者:医療ガバナンス学会2020年6月3日
世界の感染状況を示すWHOのHP
 

【筆者:坪倉正治・ひらた中央病院非常勤医(略歴は本文中に)】

 福島県郡山市近くにある「誠励会ひらた中央病院」では5月半ばに、病院・介護施設に勤務する医療スタッフ(一部、関係の保育士なども含む)680名に新型コロナウイルス感染症の抗体検査を行った。

 簡易抗体検査キットによる定性検査(イムノクロマト法)と、化学発光法による定量検査の両方を行い、その比較を行った例は国内ではほとんど報告がない。

 本稿では検査の経緯と結果を紹介するとともに、検査の限界とこれから必要なことについて議論したい。

日本初の「内部被ばく検査チーム」で

 筆者は、東日本大震災と福島原発事故後、福島県の浜通り地区で働く内科医である。もともとは血液内科を専攻していたが、震災後は放射線被ばくや公衆衛生関係の仕事が主である(感染症や検査の専門ではない)。

 そのご縁で、震災後約9年間、福島県郡山市近くにある、誠励会ひらた中央病院という阿武隈高地の病院で非常勤として勤務している。

 東京での新規患者数が毎日増加し、日本中の医療施設がピリピリしながら状況を見守っていた緊急事態宣言が出される直前の3月末、私は理事長から依頼を受けた。

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