オバマ次期米政権の情報機関トップ人事が固まった。 国家情報長官(DNI)にデニス・ブレア元太平洋軍司令官(六一)、中央情報局(CIA)長官にレオン・パネッタ元大統領首席補佐官(七〇)。 ブレア氏はブッシュ政権で軍人トップの統合参謀本部議長指名が有力視されながら、ラムズフェルド前国防長官の反対に遭い、退役した大物軍人。パネッタ氏は、節度を失いがちなクリントン前大統領を補佐し、ホワイトハウスに規律を取り戻した大物政治家だ。 二人の大物の起用で「最高級の情報チーム」を発足させ、「大統領が聞きたい情報ではなく、政府が必要とする直接的な情報」を提供してもらう、とオバマ氏は大きな期待を表明した。 情報チーム人事が他チームより遅れ、就任式の二週間前にずれ込んだのには理由がある。 当初、次期CIA長官には、政権移行チームの情報機関担当を務めたジョン・ブレナン元国家反テロセンター長が最有力視されていた。だが、ブレナン氏がグアンタナモ米海軍基地に勾留しているテロ容疑者に対する「ウォーターボーディング」(水責め)と呼ばれる拷問や、米国市民に対する令状なしの電話盗聴を支持していたと左派グループから指摘され、本人が辞退する一幕があった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。