日本「排除」ポルトガル「許可」コロナ禍で違い過ぎる「非正規滞在者」対策
2020年6月22日

4月25日に女性収容者への暴力的な制圧事件のあった東京出入国在留管理局。強制退去の対象となった外国人の収容長期化は際限なく進んでおり、精神疾患を患う外国人も多い (筆者撮影、以下同)
新型コロナウイルスの流行は、世界各地で「入管収容」問題を改めてクローズアップさせた。
強制退去の対象となった外国人を送還に向けて身柄拘束するのが、入管収容の本来の目的だ。しかし、感染対策で各国が国境を閉じたにもかかわらず、日本や欧米諸国の多くで入管当局は収容を続けた。
密集、密閉、密接状態となる入管施設で、各国の収容者は感染リスクを恐れて抗議をしたが、日本やフランスでは、そうした抗議活動を力ずくで制圧する強硬策も取っている。
こうした事例を1つ取ってみても、在留資格のない外国人(非正規滞在者)の排除政策を強く進める国が改めて浮き彫りになったことが分かる。一方で、在留資格を与え、非正規滞在者を社会に包摂しようと模索する動きも広がった。
コロナ危機にあって各国政府は非正規滞在者とどのように向き合ったのか。感染の第1波が収束に向かう今、その対応を検証する。
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