北朝鮮「韓国挑発」3つの理由(下)

執筆者:平井久志2020年6月25日
2018年2月、平昌冬季五輪の際に訪韓した金与正党第1副部長(右)はにこやかに文在寅大統領(左)と握手したが、今は……(C)AFP=時事

 

 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』の6月10日付紙面に「主体朝鮮の絶対兵器」と題された論評が掲載された。北朝鮮の最も貴重な宝は「一心団結」であり、「一心団結」こそが北朝鮮の「絶対兵器」である、という趣旨の論評だった。その中に、

「偉大な党中央と思想も志も歩みも共にし、祖国繁栄のきらびやかな明日を前倒ししていく朝鮮人民の前進を遮る力はこの世にはない」

 という表現があった。

「党中央」とは誰か

 翌6月11日付同紙には、「最高尊厳はわが人民の生命であり精神的支柱である」と題した論説が掲載された。同論説は、

「党第1副部長の談話に接し、全国の全ての人民が現在、煮えたぎる憤怒と敵愾心によって胸を熱くしている」

 と強調。さらに、

「敵がどんなに悪辣に策動しても、党中央の庭に運命の血筋をつなぎ、領導者を限りなく敬慕して従うわが人民の信念は絶対に崩すことができず、われわれの社会主義の要塞は堅固である」

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